対面鑑定では、「私だけ、なんでこんなにツラいの?」と嘆くお客様は少なくないです。
SNSで他者のリア充ぶりを簡単に覗き見することができる今は、周囲と比較して「なぜ私だけ?」と思ってしまうのも仕方がないかもしれません。まぁ、SNSが無かった時代でも、世間に漂う当たり前と比較されてたので、そんなことは昔からよくあったけど、今はさらに助長した感じでしょうか。
さて、私の方でご相談者のチャートを拝見して、まずチェックする点が大まかに3つあります。
①自分の置かれた(選んだ)環境と、自分の資質はマッチしているか?
②心の新陳代謝がスムーズなタイプかどうか?
③時期的なものかどうか?
(これについては、西洋占星術ならトランジット、インド占星術ならダシャーをチェック)
①自分の置かれた(選んだ)環境と、自分の資質はマッチしているか?
置かれた環境が、40wの省エネ電球がたくさん集まるような堅実な組織なのに、自分だけ100wの白熱灯でしかもチカチカ点滅してたら浮いてしょうがないですからね(先日「あなたって便所の100wみたい」と表現したら、ご相談者がウケてました。昭和の例えなんですけど…w)。とはいえ、本人は無自覚な場合もよくあることで、だけど周囲から見ると悪目立ちしているものだから、時に当人にとっては不可解な嫌がらせ(に感じること)を受けてしまうかもしれません。
あるいは、本来は社会で結果を出すことに興味がないタイプが、大人として社会で頑張らなきゃ!と無理に思おうとするのもまたツラいものです。興味あることにエネルギーを注ぎたい自由気ままな人がブラックな組織にいたら、苦痛でしかないのは当たり前。
こんな時は、出生チャートをチェックすると、その人の傾向や資質が見えてきます。日本標準規格みたいな見えないデフォルト(世間からはみ出さない安心枠)があるとして、そこと出生チャートのズレが強い方には、、、鑑定時にこっそりと、、、お伝えしています。あなた(のこの部分)は、規格外ですよ、と。
ここがわかるとそりゃあまぁ…ショックですが、でもずーっと自覚しないままBBAになってしまう方がもっとツラいと思うので、ご本人にはなるべく正直にお話しています。
②心の新陳代謝がスムーズなタイプかどうか?
大まかに分けると、過去にツラい経験をした記憶を積み立て預金のように溜め込むタイプと、どんどん汗で老廃物を流して新陳代謝するタイプの2つに別れますね。
溜め込むタイプは、どうしても「なぜ私だけこんなにツラいの?」案件から抜けられない。いや、そもそも抜ける気がないようにお見受けします。昔の記憶を種菌にして、その後も新たなヨーグルトをどんどん増やすかのように、今の体験に過去体験を乗算していくので、なんかカサ増しされてくんですよね。しかもそのパターンが、幼少期から年季が入ってるうえに、妄想や作り話でさらに肥大化され、伏魔殿化してる場合もなくはない。
ただし、この溜め込むタイプには、匠の風格も持ち合わせています。それこそ、その人にしかできないオリジナル芸としてとことん突き詰めれば、誰にも真似できないブランドになり得る…かもしれません。そして、いつかは同じ趣向を持つ後発の人に喜ばれる…かもしれません。ある意味、ニッチなトップランナーに化ける可能性を秘めてるタイプだと思います。運が良ければ。
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一方で、どんどん汗で老廃物を流して新陳代謝するタイプは、過去の悲惨な体験からさっさと家出して(後ろは振り向かない)、新たなドアを開けるべく邁進していく。そういう人を見ていると思わず「つ、つ、強ぇ~~~っ」と感心してしまいます。
まぁ、そんな人も昔どこかで「溜め込む」と「割り切る」の分かれ道に差し掛かった時、崖っぷちの土壇場で「割り切る」道をうっかり選んだのかもしれません。そしたら、ちょっと手応えを感じた→こんな自分でもヤレると気づいた。未来は暗中模索だけど、もがくの面白い!と思った。そして、その後もずっと汗かいてひた走る。。。たくましい運命の輪が回り出しました。
とはいえ、心の新陳代謝が活発な人だからといって、占いに縁遠いわけじゃありません。時には、こんな自分の在り方で良かったのかどうか?と、後ろを振り返って客観視してみたいこともあるでしょう。経営者だって王様だって、時には占いに頼りたくなることもありますし。昔から王族にはお抱え占い師がいたみたいですしね。誰だって決断の時は、孤独ですもんね。
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かくいう私はどっちなの?と聞かれれば、うつむき加減でハニカミながら、「じ、じ、実わぁ~、、置かれた環境と自分がズレてることに気付かなかった過去があるし(ずっと周りの方が間違ってると思ってた)、基本的には溜め込むタイプでぇ、うっかりすると今でも時々腐らせますぅ〜」と白状します。ふっはっはっは(開き直りの高笑い)。
大人の「ツラい」の素は、自分で製造していることが多いかもしれませんね。まずは己を知って、己の取り扱いに上手くなるのが上等かと思われます。