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聖なる川の奥(お店日記より)

連日の蒸し暑さ、お見舞い申し上げます。こう蒸し蒸しした日が続くと、高気圧ってどんなだったかすでに忘れかけてます。さてこんな時期ですので、少し涼しくなるお話をしようと思います。

インドのバラナシといえば、ヒンズー教徒がガンジス川で沐浴する聖地の一つです。私も三年前にその土地を目指しました。初インドなら、まずはバラナシへ行くでしょう!と単純に思ったわけです。広大な国土のインドなので、デリーから飛行機移動してバラナシへ行きました。当日の夜は川辺でプージャ(お祈りの儀式)を拝観し、翌朝の朝日が昇る前にガンジス川を手漕ぎボートに乗ってクルージングしました。その旅のメインイベントといっても過言でない、最高に気持ち良いひとときでした。

なんてったって聖なる川。ヒンズー教徒にとって一生に一度は巡礼したいと願う偉大なる川です。とはいえ、ヒマラヤ上流の澄んだ水とは違い、下流は灰褐色に濁って不透明。おまけに生活排水やら遺灰やら死体が渾然一体となったカオスな下流は、実際に水質検査をすると驚愕な数値の大腸菌が検出されるそうです。しかしながら、普段は科学的で論理的な立場の医師さえも、水が汚染されてるのなんて百も承知ながら、その次元を超越するほどの神の加護を浴びに訪れ、沐浴する特別な地なのです。

そんなガンジス川ですが、無宗教の私ですし、とてもじゃないですが勇気がなくて沐浴しませんでした。ボートから手だけ水に漬けた程度に留めました。で、そこからボートで奥に進むと、ヒンズー教徒の多くが沐浴するガード(階段状の沐浴場)から離れたところに、アジア人(日本人か韓国人)の若者数名が、水中に頭まで潜って泳いだりはしゃいだりする光景を目撃しました。

あっはっは、勇気あるなー(高熱出ても知らんぞ)。ただただ呆気にとられて見ていました。もしかしたら私も若ければ、やっていたかもしれませんが、外国での無茶は予想がつかぬと分別できるお年頃になったので、ただただ「ようやるわ~」と眺めていました。

それから三年経った今、インドで大学教授をされている日本人のご著書を何気に読んだところ、なんとガンジス川にはワニが棲息してるんだそうです。信者が沐浴するガード付近は、金網で守られてるからワニは入ってこれませんが、離れたところはワニの無法地帯で人間を襲って食べてしまうのだとか。他にも水中窃盗団なる輩もいて、川に入った外国人を沈めて金品を巻き上げ、あとはワニに処理してもらうので証拠が跡形も残らないんだそうです。年間、インドの各国大使館には行方不明になった旅行者の捜査依頼が来るそうですが、バラナシで消息を絶った場合はワニに襲われた可能性大だそうです。他にも麻薬や大麻などにうっかり手を出すことだってありますし。。。

というわけで、聖なる川、神の川とはいえ、何が潜んでいるか予測がつかないものです。人もしかり。いい人と信じて安心して誘いに乗ったら、底なし沼にハメられた…なんてことのないよう、気をつけたいものです。てか、そもそも占い師自体もある意味、聖なる川もどき(!?)なので、何が潜んでいるかわかりません。どうかどうか、くれぐれもご注意くださいませ。

(※参考文献:運が99%戦略は1%インド人の超発想法:山田真美 講談社+α新書)