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サイデリアル式とトロピカル式

西洋占星術とインド占星術の違いといえば、まずここではないでしょうか。

トロピカル式とサイデリアル式。

どちらにするかで、黄道(天球上の太陽の通り道)と12星座が変わります。

西洋占星術(トロピカル式)では、春分点(3月21日)を規準にして星座を12等分する方法です。実際の地球は北極南極の軸が少し傾いていますが、それを垂直のままに設定し、春分点を規準点に決めています。したがって、トロピカル式は人間の実生活や季節に対応しています。トロピカル式の場合、ホロスコープと実際の星座はズレるので、星座をサインと呼んだりします。まさに象徴を読み解く術ですね。

インド占星術(サイデリアル式)では、歳差運動を考慮し、現実の恒星から基準点を決めて星座を12等分する方法です。そのため実際の天体とのズレは少なくなります。この基準はトロピカル式に比べると、現在23.5度程度のズレが生じています。ほんの少しずつですが、このズレ幅は年々広がりつつあります。このサイデリアル式にも諸説ありまして、説によって基準とする恒星が異なるため、それぞれの基準点が微妙に変わってきます。

 

MEMO
歳差運動とは、回転する物体の回転軸が、首を振るように回転する運動のことです。コマ回しをして、コマの回る勢いがなくなってくると軸がグラつくのと同じ原理です。実は、地球は完全な球ではなく、縦に少しつぶれた楕円体。極の直径と赤道の直径では赤道のほうがやや長く、その直径の差が地球の歳差運動の原因です。

 

23度程度のズレがあるので、西洋占星術とインド占星術では、チャート上の惑星が在住する星座がほぼ一つ手前にズレます(24度以降の度数だと変わりません)。

西洋占星術に慣れてる方の場合、星座が一つ手前にズレると、2区分&3区分&4要素が全て変わってしまうので戸惑いますよね。例えば、男性星座が女性星座にズレるのって戸惑いませんか? 西洋では射手座と信じてたらインドだと蠍座になっちゃうし、牡羊座なら魚座になりますからね。その逆もまたしかりですが。

私もそうでした。私は最初に西洋占星術を学び、途中からインド占星術の勉強に移行した時、ちょっと戸惑いました。ただ太陽星座がズレたのはあまり違和感がなかったかな。インド占星術(サイデリアル式)の方がしっくり来たので。だけど、アセンダントのズレには違和感があった。非常にあった。アイデンティティの崩壊と言ったら大げさかもしれませんが、両者の視点の違いとはいえ、意外とショックでした。でも、今ではサイデリアル方式のアセンダントに納得しています。いや、たしかにそうだな、ホントそうだよって…。

だからといって、どっちの占術が正しいとか議論したいのではありません。今だにどっちも正しいと思っています。だからこそ、両者を混ぜたら危険だと思います。
どっちが世俗的で、どっちがスピリチュアルかについても、どちらからも両方の側面が読めると思います(視点の差はありますが)。
それに、結局はチャートを読み解く人の経験やセンス次第と思うので、一概にどっちがどうとは言えない気がしています。

あと、それぞれの周波数が違うと云われますが、私もそれに一票です。ラジオの周波数が変われば、放送局が扱うテーマやノリも変わってきますが、まさにそれだなと。で、今はやっぱりインド占星術(サイデリアル方式)の周波数が好みですね。実際の宇宙に呼応するがゆえの、のっぴきならないリアルというか自然というか真っ正直なところがとても気に入ってます。